放射線科

自施設は救急指定医療機関である公的中核医療機関病院の放射線科であり、24時間の救急業務対応も行っています。地域医療の中心として、安心・安全・高度な医療を提供することで地域の皆さんに信頼していただける放射線科であるよう努めてまいります。

放射線科では、一般撮影や透視検査・CT・MRI・マンモグラフィなどの撮影・撮像、骨粗しょう症のための骨塩定量検査、様々な科における手術の術式に必要な手術中の透視、カテーテルを挿入し診断や治療を行う心臓カテーテルを行っております。また、放射線医療機器は、患者様の低被ばく及び高画質を基本に装置を選定しております。撮影画像は、電子カルテと放射線情報システムRISの連携により、情報の電子化によるネットワークが構築されており、ネットワークを介してPACS(医療用画像保管伝送システム)に保存され、各診療部門の端末から画像を参照できるようになっております。また、病棟においては、無線配信によるタブレット画像参照も可能となっております。


■放射線科スタッフ
診療放射線技師 9名(男性7名、女性2名)
放射線科助手 1名
看護師 1名

■取得資格
検診マンモ撮影認定技師 5名
乳房超音波技術認定技師 1名
放射線管理士 1名
放射線機器管理士 1名

 

放射線科医療機器

全身用 X線CT診断装置

従来のシンチレータと比較すると約100倍の変換速度を達成した新開発素材ガーネットを検出器に用いた GE社製の64列Multidetector-CTを2014年に導入したことで、高分解能化、低線量撮影などで増加するノイズの低減が可能となった画像を提供できるようになりました。通常の横断像以外にワークステーションを用いた脳血管、大血管の3次元構築、CTコロノグラフィー、心臓の冠状動脈の描出なども行っております。放射線被ばくを最小限にしながら良好な画像が得られる工夫もされ、患者様への放射線被ばくの減少に寄与できるようになりました。
2019年には装置のアップグレードを実施し、最新逐次画像再構成ASIR-V、金属除去アーチファクト除去ソフトウエア、水晶体被ばく低減 Organ Dose Modulation を導入しました。


【装置】
GE社製  Discovery CT  750HD Single-Energy CT 
ワークステーション  Advantage Workstation


全身用MRI装置

MRI は人体の原子核の磁気共鳴という現象を利用した画像診断法です。 外観はCTに似ていますが、CTのようにX線を利用して画像を得るのではなく、磁石とラジオ波を利用して断面像を撮影します。MRIの特徴として、放射線被ばくがないこと、軟部組織の画像、拡散・血流情報・代謝情報を得ることができます。なお、体内に金属(特にペースメーカーなど)が入っている方は検査ができない可能性がありますので必ず伝えてください。

2021年9月に新装置への更新を行ったことで、これまではできなかった前立腺がんの転移等に利用されるDWIBS全身ディフュージョン撮影、非造影脳血液灌流をみるASL等も可能となりました。新装置には寝台に呼吸センサーが配備され、どうしても呼吸がうまくいかない場合にも強い味方となります。またdeep learning技術によるAIを利用して画像のノイズを改善するdeep resolveも搭載されております。

 


【装置】
SIEMENS社製  1.5T  Magnetom  Altea  ※2021.9 更新
ワークステーション  FUJIFILM  SYNAPSE VINCENT


据置型デジタル式循環器用 (多目的) 血管撮影装置

足の付け根や手首の血管より細い管(カテーテル)を目的血管の傍まで進め、動脈に直接造影剤を流し込み造影して心臓や四肢の検査や治療を行います。 2015年に新しい装置が導入され、 高画質と低被ばくを両立した装置になり、患者様の被ばく低減と安全性に寄与しています。


【装置】
PHILIPS社製 バイプレーンシステム  Allura clarity FD20/10
ビューワー Photron社製  KADA-VIEW
動画サーバー Photron社製  KADA-SERVE
レポート Photron社製  KADA-Report

 

据置型デジタル式乳房用X線診断装置

乳房は柔らかい組織で出来ているため専用のX線装置を使用します。乳房を片方ずつ撮影台と透明なプラスチックの板で挟んで圧迫して撮影します。やや強めに圧迫しますので多少の痛みを伴いますが、圧迫することで病巣か正常乳腺かの区別がしやすくなり被ばく線量も少なくなります。圧迫している時間は数秒程度ですが、痛みが強い時は担当技師に伝えてください。

2005年より平面検出器方式FPDマンモグラフィを採用し、2015年には以前よりもX線検出効率の高いFPD方式に更新することで高画質化、更なる被ばく線量の低下が可能となりました。また、マンモサーバーの導入により、現在で過去18年のFPD画像の比較読影が可能となりました。なお、乳房の撮影は検診、診療とも検診マンモグフィ認定資格を持つ診療放射線技師が担当しております。


【装置】 
GE社製 Senographe  Essential  間接変換方式FPD
ビューワー コニカミノルタ  PlissimoMG
モニター BARCO製5MP 2式
マンモサーバー コニカミノルタ  Plissiomo Serve

 

据置型汎用 X線透視診断装置

消化器科系(胃、大腸のバリウム検査や胆道、膵管の内視鏡的造影検査及び内視鏡的乳頭大口径バルーン拡張術などの治療等)、整形外科(神経根ブロック、関節造影検査、骨折時の整復治療など)、外科や泌尿器科の造影検査等が行われます。 2022年12月にCANON製Astorex i9の導入により、トモシンセシス撮影も可能となりました。過去の断層撮影と類似するものが復活し操作も簡便で、診断の難しい骨折病変の描出や骨梁描出が可能となりました。


【装置】
TOSHIBA ZEXIRA DREX-ZX80 FPD1717
CANON Astorex i9 ASTX-I9000 (2022.12更新導入)

 


一般撮影画像


トモシンセシス画像


※両画像ともファントム画像を使用


移動型ポータブル撮影装置

集中治療室や各病棟に出向いて、移動が困難な患者様の病室等での撮影を行います。2016年にケアーストリーム社製一体型のFPD ポータブル撮影装置を設置しました。本体に19インチモニタを搭載しており、撮影後瞬時に読影診断が可能となりました。2021年には島津製作所製とCANON FPDシステムを追加し、3台のFPDポータブル撮影で対応しております。救急や停電等で電源を喪失した際、または非常事態の際において重要な装置となります。


【装置】
ケアーストリーム DRX-Revolution 一体型FPDシステム  1台
島津製作所 Mobile Art Evolution + CANON CXDI FPDシステム(ノートPC)2台

 

骨密度 (二重エネルギー骨X線吸収) 測定装置

測定は、腰椎正面、大腿骨頸部です。誤差が少なく、測定時間が短く、放射線の被ばく量も少ないという利点がある二重X線エネルギーを用いるDEXA法で撮影しています。このため骨量測定の標準方法として重視され、骨粗しょう症の精密検査や、骨粗しょう症の治療効果の経過観察、また骨折の危険性予測に有用なものとなっております(2023年度更新予定)。


【装置】
GE社製 DPX-BRAVO


移動型汎用 X線透視診断装置

整形外科や泌尿器科等の透視を利用しながら行う手術に対し、移動して手術中の透視に使用します(2台設置)。


【装置】
GE社製  OEC9900
GE社製  OEC BRIVO Essential


据置型汎用一般撮影装置

胸部、腹部、骨系の一般撮影は、高画質、被ばく線量が少ないCsIタイプの平面検出器FPD(フラッ トパネルディテクター)で撮影しております。取得した画像はコンピューターで診断に適した画像処理を行い精度の高い画像を提供しております。


【装置】
撮影室1番(一般撮影室)
島津製作所 Rad Speed Pro UD150B-40(CANON FPD CXDIシステム)

撮影室2番 (一般撮影室)
島津製作所 Rad Speed Pro UD150B-40(Carestream DRX-1Cシステム) 

撮影室7番 (造影検査室)
東芝メディカル MRAD-A50S RADREX(Carestream DRX-1Cシステム)  


デジタル画像処理系システム

画像保存配信用PACSサーバー PHILIPS社製  Vue PACS

放射線科情報システム PHILIPS社製  RIS-Jシステム

病棟画像無線配信システム(タブレット)  PHILIPS社製  Vue motion


平面検出器FPD システム

画質の向上、被ばく線量の少ないCsIタイプを採用しております。


CANON CXDIシステム 1式 

 


ケアーストリーム社製  DRXシステム2式


(バックアップ) CR装置 及びレーザーイメージャー

撮影したIP(イメージングプレート)をレーザー光線で読み込み、DICOM画像化する装置です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


CRシステム  Carestream社製  CR Elite
レーザーイメージャーCarestream社製  DV6800 2台


検像システム

撮影した画像をチェックするシステムです。


Array社製  Quartina
インポーター Array社製  Preludio

フィルムデジタイザー           

紹介、転院用のアナログ検査データの取り込みを行います。

Array社製  2905M